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高気密住宅とは、建築基準法の改正により、高断熱、省エネルギー住宅が標準化されてからの工法で、最近は新築される住宅のほぼすべてが高気密住宅となっています。
それまでの在来工法とは異なり、すべてにおいて気密性を重要視した住宅です。
高気密住宅では、高気密であるがゆえに室内と室外の気圧差が生じやすく、小さな隙間でも空気の浸入があり、その際に風切り音がして気になるものです。
そのため建築段階でも小さな貫通穴であっても、
コーキング材などでシールして、穴を完全に塞ぐ作業を行います。
もちろん、エアコンの貫通穴も例外ではなく、貫通穴に対しても内外共に完璧なシール作業が必要になります。
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壁の貫通部分の処理方法も、高気密住宅であることから、通常とは少し違った処理が必要になります。
目的は、住宅の気密性を保つのが目的ですから、ほかのものと同じように完璧な処理が求められます。
そのときに使用するのが、上の図のような貫通スリーブセットです。
このような貫通スリーブセットを使って、貫通穴の処理を行いますが、
通常なら、この貫通スリーブセットをセットしてそのまま冷媒管を通すだけですが、高気密住宅の場合、内壁外壁部分のシールが不可欠ですから、まず室内側の貫通スリーブのツバの部分の裏側にコーキング材を塗布します。
このときあまり多く塗りすぎるとツバからはみ出してきますので、あまり多く塗らないようにするのがコツです。
特にエアコン下部にあたる部分は慎重に!
ここまでできたら、壁厚を測ってスリーブをセットして貫通穴に取り付けて、室内機側の貫通部処理は終わりです。
スリーブをセットするときは、壁厚プラス3mm程度長くしておいてください。
これは、室外での処理を行うのに必要なものです。
続いて屋外側の処理を行います。
屋外側を見てみると、先ほど3mm程度長くした分、外壁より出ていると思います。
この出ている部分の周囲にコーキング材を塗布し、コーキング用のヘラなどを用いて、周囲に隙間ができないように成形します。
もし、コーキング用のヘラなどが無い場合は、指を水などに浸してコーキング材を成形してください。
これで、屋外での貫通部分の処理は終わりですが、すぐに次の施工に取り掛からないでください。
処理完了後すぐでは、コーキング材が乾いていないので、冷媒管などを通す際に動いてしまい、隙間ができてしまいますので、
少し乾燥するのを待ってから次の作業に取り掛かるようにしてください。
尚、冷媒管施工後も、冷媒管の周囲に隙間ができないように、シールパテやコーキング材を使って確実に施工するようにしてください。
高気密住宅で貫通穴をあけた場合の処理は、ほかのものとは比べ物にならないくらい手間が掛かります。
ですから、高気密住宅の場合は、建築段階でエアコンの取付け位置などを事前に打合せしておいて、
その位置に貫通処理をしてもらっておくのが、最善策だと思います。 |
換気扇を回すとエアコンからポコポコ音 |
ドレンホースとは、エアコン室内機で発生する水を室外に排出するためのホースのことです。
室外機の脇にある白いホースです。
夏になると、そのホースから水が出て地面が濡れているのを見たことありますよね?
換気扇を回すと、部屋の中の気圧が下がり、外の空気がドレンホースから入ってきたのです。
夏場のエアコンは、冷房を使うのでドレンホースの中には水が溜まっていることがあります。
その状態で外からの空気が入ってくるときに、ポコポコという音が鳴るのです。
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対 策 |
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1.窓を少し開けておけば、すき間から風が入ってくるので、ドレンホースから空気が入ってこなくなります。
ただし冷房をかけているときに、窓を開けるとせっかく冷えている部屋に暖かい空気が窓のすき間から入ってくるので電気代がもったいないです。
2.部屋の中に換気口ついてませんか?
真ん中のツマミを回すことによって、スキマが開き空気を取り込むことが出来ます。
ツマミを開け外気を取り入れることにより、ポコポコ音を解消することが出来ます。
3.窓を開けたり、換気口を開けるのは、外気を室内に取り入れるためです。
外気を取り入れるのではなく、ドレンホースから外気が侵入しないようにする方法もあります。
消音バルブ、逆流防止弁、防虫弁、エアーカットバルブなどと呼ばれているものです。
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